金沢で行ってみたかった場所の一つが、通称「忍者寺」。
正式名称は妙立寺(みょうりゅうじ)という。
「忍者寺」というくらいだから、忍者が住んでいたとか、修行していたとか、何かしら忍者にゆかりがあるのだと思っていた。
ところが、実は忍者とは関係がないらしい。
では、なぜ忍者寺と呼ばれているのか。
中に入ってみると、その理由がよくわかった。
落とし穴、隠し扉、隠し階段。敵襲を想定した仕掛けが建物のあちこちに隠されている。
約40分のガイドツアーだったけれど、見どころが多く、かなり面白かった。
金沢城を守るための防衛拠点だった
ガイドさんの説明によると、妙立寺は金沢城を守るための防衛拠点としての役割も持っていたという。
前田家の居城だった金沢城は平地にあり、城下を守るために周囲の寺院にも防衛上の役割を持たせていたらしい。
妙立寺の内部には、その名残ともいえる仕掛けがたくさん残っている。
一見すると普通の扉なのに、その向こうに隠れた空間があったり、敵を落とすための仕掛けがあったりする。
外から見ただけでは、こんな複雑な構造になっているとは思わない。
「忍者寺」という呼び名は、この仕掛けの多さからついたものだそう。
昔の人はここまで考えて建物をつくったのか、と何度も感心した。
お殿様専用の中二階もある
本堂には、中二階のような空間もあった。
ここは、お殿様が一般の参拝者と顔を合わせることなくお参りできるようにつくられていたという。
敵への備えだけではなく、身分の違いまで建物の構造に表れている。
ただ仕掛けが面白いだけではなく、当時の暮らし方や社会のあり方まで見えてくるのが興味深かった。
見学は全員ガイドツアー
妙立寺の内部は、自由に歩いて見学する方式ではない。
全員ガイドツアーに参加する。
参加した回は全体で20人以上いて、10人ほどのグループに分かれ、それぞれにガイドさんが一人ついた。
仕掛けの中には、説明されなければ気づかないものも多い。
普通の壁にしか見えないところに意味があったり、何気ない階段に工夫が隠れていたりするので、ガイド付きなのはむしろありがたかった。
外国人向けの説明ファイルもある
今回は外国人の友達と一緒に参加した。
ガイドさんの説明は日本語だったけれど、外国人向けには説明が書かれたファイルが用意されていた。
英語だけではなく、中国語など複数の言語があった。
仕掛けそのものは見ればある程度わかるけれど、なぜその構造になっているのかまで理解できると面白さがかなり違う。
外国人の友達と一緒でも参加しやすい場所だった。
予約は電話。平日でもかなり人がいた
今回は10時の回を予約。
予約時に「9時50分に来てください」と言われていたので、その時間に到着した。
拝観料は1,200円で、ツアー前に支払う。クレジットカードでも支払えた。
基本的には電話で事前予約をしてから行くのがおすすめ。
予約なしで来ている人もいて、当日に空きがあれば入れそうではあったけれど、平日でも参加者はかなり多かった。
予定が決まっているなら、予約しておいたほうが安心だと思う。
靴下を履いていったほうがいい
古い建物なので、裸足での拝観は避けたほうがいい。
靴下を履いていくのがおすすめで、持っていない人向けには足袋も販売されていた。
内部は薄暗く、狭い場所も多い。
さらに階段が多く、少し足元に注意したほうがいい場所もある。
探検しているようで楽しい一方、高齢の人や階段が苦手な人は少し気をつけたほうがよさそうだった。
堂内は撮影禁止
残念ながら、堂内は撮影禁止。
なので、この記事にも内部の写真はない。
ただ、この場所は写真で先に仕掛けを見てしまうより、ガイドさんに説明されながら、
「ここが開くの?」
「そんなところに階段があるの?」
とその場で驚くほうが楽しいと思う。
写真を撮れない分、40分間ずっと建物に集中できた。
広小路バス停から歩いて5分くらい
アクセスも比較的わかりやすい。
広小路のバス停から歩いて5分くらいだった。
バス停からそれほど遠くないので、金沢観光の途中にも組み込みやすい。
近くにはにし茶屋街もあるので、一緒に回るのもよさそう。
なぜか柴犬だらけ。その理由を聞いたら……
歴史的な仕掛けとは別に、妙立寺でもう一つ気になったものがあった。
犬。
ワンちゃんの像があったり、柴犬の御朱印帳が売られていたり、おみくじまで柴犬だった。
ここまで犬がいるなら、このお寺には何か犬にまつわる由緒があるのでは。
気になってお寺の方に聞いてみた。
すると、
特に関係はなく、住職が犬好きだから。
という答えだった。
落とし穴や隠し扉を見ながら前田家の防衛について学んだあとに、「住職が犬好き」。
この落差がちょっと面白い。
柴犬の御朱印帳、買えばよかった
そして今になって後悔しているのが、柴犬の御朱印帳を買わなかったこと。
本当にかわいかった。
しかも写真まで撮り損ねた。
その場では「かわいいな」と思っただけで通り過ぎたのに、帰ってきてからじわじわ欲しくなっている。
旅先では、こういうことがたまにある。
次に行く機会があって、まだ売っていたら今度は買いたい。
1,200円で約40分。かなり満足度が高かった
拝観料は1,200円。
お寺を見る料金として考えると少し高く感じる人もいるかもしれないけれど、約40分ガイドさんがついて、建物の仕掛けを一つずつ説明してくれる。
実際に参加してみると、かなり内容が濃かった。
落とし穴や隠し扉を見るだけではなく、
「なぜこういう構造になっているのか」
までわかる。
普通のお寺とはかなり違う体験だった。
金沢に行くなら、かなりおすすめしたい
行く前は、「忍者寺」という名前から、もう少し観光客向けの忍者スポットを想像していた。
実際は全然違った。
忍者はいない。
その代わりに、敵襲を想定して考えられた複雑な建物と、昔の人の知恵が詰まっている。
約40分のツアー中、次から次へと仕掛けが出てくるので、最後まで飽きなかった。
金沢城や兼六園を見るのとはまた違う形で、前田家の時代の金沢を感じられる場所だった。
金沢に行く機会があれば、ぜひ行ってほしい。
そして犬好きなら、帰る前に柴犬の御朱印帳も忘れずに。
私はまだ、買わなかったことを後悔している。