パプアニューギニア旅行の最後に、首都ポートモレスビーを半日観光した。
正直、出発前はポートモレスビーを積極的に観光するつもりはなかった。
調べれば調べるほど治安についての情報が出てくるので、
「空港とホテルだけでもいいかな」
くらいに思っていた。
でも実際に車を貸し切って回ってみると、国立博物館、国会議事堂、バハイ教礼拝堂、大型ショッピングモールと、半日でも意外といろいろ見られた。
観光名所だけでなく、人がほとんど歩いていない国会議事堂前の大通り、大きな木の下で楽しそうに話す人たち、ドアを開けたまま走るバス、高床式の家。
そういう何気ない街の風景も面白かった。
ポートモレスビー観光で一番大事なのは、まず「足」を確保すること
私たちが泊まっていたのは、空港近くのGateway Hotel。
ポートモレスビー観光で一番大事だと思ったのは、出発前に移動手段を確保することだった。
私たちはホテルのスタッフにお願いしてタクシーを呼んでもらった。
料金はメーター制ではなく、ドライバーとの交渉。
私たちのドライバーさんは、
1回の移動なら30キナ、貸切なら1時間50キナ
とのことだった。
何か所か回りたかったので、1時間50キナで貸切にした。
国立博物館、国会議事堂周辺、バハイ教礼拝堂など、市内の比較的近い場所を回って、所要時間は3時間弱。
結果的に貸切にして正解だった。
行きたい場所を伝えると順番に連れて行ってくれて、その間は待っていてくれる。
しかも私たちのドライバーさんは、とてもいい人だった。
ポートモレスビーを短時間で何か所か観光したいなら、ホテルでタクシーを呼んでもらい、数時間貸し切る方法はかなり使いやすかった。
もちろんカードは使えないので、キナの現金は必須。
私たちが泊まったGateway HotelにはATMもあった。
タクシー料金は、出発前に最後まで決めておいた方がいい
ただし、料金交渉には注意した方がいい。
別の友人たちは、片道1時間ほどかかる場所へ出かけた。
ドライバーが最初に提示した料金は400キナ。
交渉して、300キナで合意した。
ところが出発してから、
「やっぱり400キナ」
と言い出したらしい。
友人はこれにブチ切れ。
「300で合意したでしょう」
と強く言い返し、結局300キナになった。
片道1時間もかかる遠出なら、ガソリン代もかかるので、市内を回るより高くなること自体は仕方がないと思う。
でも、一度合意した金額を出発後に変えるのは反則だと思う。
乗る前に、
「どこまで行くのか」「往復なのか」「待ってもらうのか」「全部でいくらなのか」
まで確認しておいた方がいい。
スマホの電卓などで金額を表示して、お互いに確認しておくのもよさそう。
まずはパプアニューギニア国立博物館へ
最初に向かったのが、パプアニューギニア国立博物館。
入館料が決まっている方式ではなく、ドネーション制だった。
ここはゴロカショーのあとに来てよかった。
ゴロカショーでは、色鮮やかな衣装、身体のペイント、羽飾りなどをたくさん見た。
でも、
「これは何なんだろう?」
と思ったものも多かった。
博物館では、土器、仮面、彫刻、カヌーなど、パプアニューギニア各地の文化に関する展示を見ることができる。
ゴロカで見た高地の文化だけでなく、海沿いの文化も出てくる。
同じ国の中なのに、こんなに違うんだ。
というのが面白かった。
「3250 BP」っていつ?
展示を見ていると、
3250–2900 BP
という年代が書かれていた。
BPとは何だろうと思って調べると、Before Presentの略。
考古学などで使われる年代表記で、1950年を基準にする。
なので3250 BPなら、おおよそ紀元前1300年ごろ。
展示されていたラピタ土器を見ながら、
「そんな昔からこの地域に文化があったのか」
と改めて驚いた。
カヌーの装飾板も面白かった
もう一つ印象に残ったのが、Tami Islandのカヌーに使われる装飾板。
大きな航海用カヌーの船首や船尾につけるものらしい。
ゴロカでは山の中の文化を見てきたので、今度は海の文化。
PNGは一つの国だけれど、地域によって生活や文化がかなり違うことが、博物館を見るとよく分かる。
巨大な博物館ではないが、ゴロカショーのあとに見るとかなり面白かった。
国会議事堂周辺へ
博物館のあとは、すぐ近くの国会議事堂周辺へ。
国会議事堂の前には、PNGの国旗がずらっと並ぶ大きな目抜き通りが伸びている。
かなり立派な道路だった。
ところが、不思議だったのがその周辺。
建物がほとんどない。
そして、
人も全然歩いていない。
首都の国会議事堂前と聞くと、官庁やオフィスが並び、人や車が行き交っている場所を想像する。
でもここは、広い道路と大きな空間があるのに、人の気配が驚くほど少ない。
そのアンバランスさが不思議だった。
ゴロカとはまた違う意味で、日本ではあまり見ない都市の景色だった。
遠くに見えた不思議な建物
国会議事堂周辺にいると、遠くに変わった形の建物が見えた。
丸みがあって、大きな編み籠のようにも見える。
「あれ何だろう?」
と気になって調べてみると、
バハイ教の礼拝堂
だった。
最初から予定していた場所ではなかったが、そのままタクシーで行ってみることにした。
こういう予定外の寄り道ができるのも、車を貸し切ってよかったところ。
バハイ教礼拝堂の周辺は、人がたくさんいた
人がほとんどいなかった国会議事堂周辺から移動すると、今度は雰囲気が一変した。
バハイ教礼拝堂の近くには、人がたくさんいた。
学生を大勢乗せたバスも走っていた。
しかも、
ドアが開いたまま。
普通にそのまま走っていく。
「閉めないんだ😂」
と思いながら眺めていた。
こういう何気ない光景の方が、案外旅の記憶に残る。
大きな木の下が、人々の居場所になっていた
近くの広場には大きな木があり、その下の日陰に人々が集まっていた。
何人かずつ輪になって、楽しそうにおしゃべりしている。
印象的だったのが、スマホを見ている人がほとんどいなかったこと。
誰かと一緒にいるなら、その人たちと話している。
みんな楽しそうだった。
日本では電車を待つときも、人を待つときも、ちょっと時間が空けばスマホを見るのが普通になった。
だから、
人が木陰に集まって、ただ一緒に話している光景がなんだかいいな
と思った。
ゴロカでも木陰に集まっている人をよく見た。
PNGでは、こういう屋外の木陰が人々の自然な居場所になっているのかもしれない。
バハイ教礼拝堂がとてもきれいだった
礼拝堂は、外から見るだけでもかなり特徴的。
大きな編み籠のような形で、現代建築なのにPNGの伝統的な編み物を思わせる。
中へ入ってみると、さらにきれいだった。
天井には幾何学的な格子模様が広がり、窓から光が入ってくる。
大きな宗教画や派手な装飾があるわけではない。
むしろかなりシンプル。
その分、静かで落ち着いた空間だった。
そして何より驚いたのが、
隅々まで本当にピカピカだったこと。
床も建物の中も、とてもきれいに手入れされている。
この場所が大切にされていることが伝わってきた。
靴を脱ぐことに気づかず、そのまま入ってしまった
ここで私は一つ失敗した。
礼拝堂に入るときは靴を脱ぐ必要があったのだが、それに気づかず、
靴を履いたまま入ってしまった。
あとから気づいて、
「しまった」
と思った。
ところが、スタッフの方はまったく怒らなかった。
笑顔で、
「大丈夫。あとで掃除するから」
という感じで優しく言ってくれた。
その方の笑顔がとても素敵だった。
もちろん最初から気づいて脱ぐべきだったのだけれど、嫌な顔一つせず対応してくれたのが印象に残っている。
バハイ教礼拝堂は、建物そのものだけではなく、
そこで出会った人の優しさまで含めて好きになった場所
だった。
そもそもバハイ教とは
私はここへ来るまで、バハイ教についてほとんど知らなかった。
19世紀のペルシャで生まれた宗教で、人類の一体性などを重視している。
礼拝堂も、豪華な祭壇や宗教画をたくさん置くタイプではない。
静かに座ったり、祈ったりするための空間という印象だった。
予定になかった場所なのに、今回のポートモレスビー観光では特に記憶に残った。
車から見る街並みも面白い
観光地そのものだけでなく、移動中に窓から街を見るのも楽しかった。
特に目についたのが、
高床式の家。
地面から床を持ち上げた住宅を何度も見かけた。
大きな近代的な建物がある一方で、そのすぐ近くにはこうした家が普通に並んでいる。
首都だからといって、街全体が同じような都市景観になっているわけではない。
車に乗っているだけでも、
「あれ何だろう?」
と思うものが次々に出てきた。
最後は大型ショッピングモールへ
観光の最後は、大型ショッピングモールへ。
ゴロカから来た直後だったので、
急に都会に来た。
という感じがした。
建物はかなり近代的。
中のスーパーも大きく、野菜、果物、飲み物、お菓子、日用品などがずらっと並んでいた。
ゴロカのスーパーとは規模が全然違う。
マクドナルドやスタバが見当たらないのが、個人的にはよかった
大型ショッピングモールなのに、個人的に面白かったのが、
マクドナルドやスターバックスのような、世界中で見かけるアメリカ系巨大チェーンを全然見なかったこと。
海外へ行ってショッピングモールに入ると、
「結局どこの国でも同じ店だな」
となることがある。
でもポートモレスビーでは、その感じがあまりなかった。
中国系らしい店があったり、日本のラムネが売られていたりするのに、世界共通の巨大チェーンに全部塗り替えられていない。
私はこの感じが結構好きだった。
ゴロカで探していたPNG土産もここで発見
そして、このスーパーにはもう一つ目的があった。
PNG産のお土産探し。
ゴロカではスーパーを3軒回っても見つけられなかったPNG産チョコレートを、ここでようやく発見した。
Queen Emmaのチョコレート。
板チョコだけでなく、小さな個包装タイプも売っていた。
さらに、ゴロカでは見つけられなかったPNG産のドリップコーヒーも購入できた。
お土産ミッション、ようやく完了。
このあたりは別のお土産記事で詳しく書こうと思う。
ポートモレスビー、思っていたより面白かった
行く前は、
「治安が心配だし、無理して観光しなくてもいいかな」
と思っていたポートモレスビー。
でも実際に半日回ってみると、かなり面白かった。
国立博物館でPNGの文化を見る。
人がほとんどいない国会議事堂前の大通りを見る。
遠くに見えた不思議な建物を追いかけて、バハイ教礼拝堂へ行く。
木陰で楽しそうに話す人たちを見る。
ドアを開けたまま走るバスを見る。
車の窓から高床式の住宅を見る。
そして最後に大型ショッピングモールで買い物をする。
観光名所そのものより、その途中で見た街の様子の方が記憶に残っているものも多い。
私たちの場合、市内の近い場所を中心に回って3時間弱。
ホテルでタクシーを呼んでもらい、数時間貸し切ったことで、短時間でも無理なく回れた。
一方で、私は徒歩で自由に街を歩き回るような観光はしなかった。
タクシーはホテルで呼んでもらう。
料金は乗る前に決める。
現金を用意する。
そして、暗くなる前にホテルへ戻る。
このくらいの距離感が、自分にはちょうどよかった。
ポートモレスビーをただの乗り継ぎ地点として通り過ぎず、最後に少し時間を取って見て回れてよかった。











